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網走の坂

網走は昔から坂の多い町である。大昔は今の市街地の平地部分は海の中に沈んでおり、丘陵地に住む人々は坂を下って海へ下り、漁をしていた。今は丘陵のふもとも整備され、多くの人々が生活しているが、やはり丘陵と平地はいくつもの坂で結ばれている。

 

坂には何かを期待させるものがある。上り坂の下に立つと、行く手視界は遮られる。見えないものに人は想像力を膨らませ、上った先にどんな景色が広がるかを期待する。苦労して上っていくにつれ徐々に全貌を露にする景色は、特別なものに見えるだろう。
また平坦な道では自分と進行方向とを結ぶ「線」としての景色しか見えないが、下り坂では広がりのある「空間」として景色がとらえられ、その頂点に立って下界を見渡すのは爽快である。

文芸網走編「網走の坂」

 

多くの網走の坂のうち、「流氷坂」「地獄坂」「双岩坂」「夕映坂」など23の坂が文芸網走によって丁寧に名付けられ、それぞれにまつわる想いが綴られている。

 

りんご坂あたりの景色は映画のような美しい眺めだ。農大の前から中園へ行く道を呼人側へ折れ、坂を少し上ると、その先には長い下り傾斜が伸びている。上り坂からはまったく見えなかった湖が、下り坂に切り替わったとたんにパーッと前方に広がり輝きだす。夕日が沈む頃の眺めはまた格別。皆には秘密にしておきたいような、網走の名所である。

 

 

またこの中には取り上げられていないが、駒場の運動公園と桂町の間を通る坂からは、住宅の間から海が望める。屋根の間から二つ岩、オホーツク海がのぞくのはなんとなく不思議な光景だが、改めて網走は海の町であったことを強く印象付ける。
観光客がこの坂を下ることはあまりないだろう。しかし坂のつきあたりに交わる通りには大型店舗が次々と作られていて、この地に住む人々は頻繁に利用する坂である。厳寒期に入るとここから流氷がかいま見え、改めてオホーツクの冬なのだ、とピリッと冷たい空気が差し込んだような気持ちになる。

 

文芸網走のまとめた『網走の坂』には、このほか「流氷坂」「地獄坂」「双岩坂」「夕映坂」など、数々の興味深い坂が取り上げられている。網走に来たら観光スポットを巡るのもいいが、土地の人が日々繰り返し眺めている風景を巡り、素朴な飾らない美しさを知るのもいいものである。

(参考:『網走の坂』文芸網走編 オホーツク書房発行 1982)

 

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