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文学
多くの文学者、作家が網走を訪れています


網走人と流氷

表紙

「ドキュメント 流氷くる!」 菊地慶一
(2000年 共同文化社)

 

菊地慶一は網走在住の文筆家で、オホーツクの自然や歴史について執筆活動を続けている人物です。長い間独自に流氷観測を行い、流氷に関する著作も数多くあります。「ドキュメント 流氷くる!」は、1999年の流氷の、一進一退を克明に綴った作品です。

かつては海を封じ込めてしまい、漁業に障害をきたす邪魔者と思われていた流氷が、多くのプランクトンを含み海を豊かにするものだと分かり、またその後オホーツクの冬の観光の目玉となってからは、流氷はどちらかといえば歓迎される存在となりました。

作品の中には、記録と併せてこの流氷に様々な形で関わる多くの人々が登場します。気象台、海上保安部、流氷館、アイスクライマー、カメラマン、漁師、町の人々、子供達‥
すべての人に感じられるのは、氷と共に生きるという姿勢です。冬の厳しさを当たり前のように受け止め、それに合わせて暮らしていく。季節の移り変わりを感じ、自然への畏敬の念が命の根底に流れている。それがオホーツク人なのでしょうか。

オホーツクでは流氷が来るのは毎年のこと、と何気ない顔をしながらも、やはり初日や接岸を気にとめている人が多いのが事実です。刻々と変わる氷の表情も、一夜にして消えたり現れたりする驚きも、その地に暮らしていればこそ、話や写真だけではなく実際に目の当たりにして少なからず感動を覚えた経験があるのです。

流氷と帽子岩
「街へ出かけて知人に出会うと『おめでとうございます』と、声をかけられてびっくりした。流氷接岸を待ちわびる私に、やさしい気持ちを寄せてくれている。店の人が「とうとうきましたね」と、言ってくれる。街中が、とは大げさだがたくさんの人たちが、ついに来ましたねという言葉をかわし合っている。寒さにふるえながらも、流氷の季節を受け止める網走人がいる」

地元の人々の流氷への想いは花火のようなイベント的な盛り上がりというよりも、炭火のようなじわりと熱いものが感じられます。
流氷は、観光客よりもむしろオホーツクに住む人々にとっての方が、魅力あるものなのかもしれません。

 

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